こんにちは、ちゃん貴(@butsuyokukaisho)です。
11月に入り、そろそろ店頭にも冬服が並び始める時期がやってまいりました。
まだ日中は残暑を感じるケースがあるとはいえ、それでも朝晩の冷え込みを考えると『そろそろ今シーズンのニットを考えたくなる』と言う方も多いのではないでしょうか。
かくいう私奴も、今期は早々から星条旗ニットの誘致を完了させ、来る冬の備えは準備万端となっていますが、実はもう一つオススメしたいニットがあります。こちら。
そう、この美しい発色のニットこそが、、、
シェットランドセーターの雄、ジャミーソンズです。
ジャミーソンズといえば、かつて本ブログでもアボさんが筆を取ってくれたフェアアイルニットが有名ですが、実はこんなソリッドカラーのニットもあるんですよね。
もっといえば、ソリッドカラーのセーターは並行輸入品が15,000円くらいで買えるもんで、【モノの良さ】と【蘊蓄やストーリー】を考えるならば、本気でオススメできる超穴場セーターです。
正直、日中の気温を考えると、本格稼働はまだまだ先にはなりますが、とはいえ今からツバをつけておけば数ヶ月後にポチる時に悩まなくて済むでしょwww
というわけで今回は、
ジャミーソンズのセーターに秘められた【歴史】や【蘊蓄】、はたまた【ブランドストーリー】について、是非とも今の内からツバを付けておいてください!!
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JAMIESON’S / ジャミーソンズとは
ジャミーソンズといえば、イギリスの最北端に位置するシェットランド諸島にて120年以上に渡ってシェットランドウールの紡績とニット製品の生産を手がけてきた老舗ブランドです。
更にスコットランド王室からも御用達とされているココンチは、シェットランドに生息する羊(シェットランドシープ)からウールを採取し、紡績し、さらにはニッティングまで行う、正真正銘の【メイド イン シェットランド】プロダクト。
ちなみに、シェットランド諸島は季節の寒暖差が大きく、厳冬シーズンともなれば厳しい寒さと強風の影響で牧草が育たないエクストリームな環境(爆)となる事で有名で、この地に生息する羊(シェットランドシープ)は牧草の生えない季節には崖に生える海藻を食べるという食文化(?)が形成された結果、【タフで弾力性があるウールが取れる】という毛質の変化まで実現させます。
また、そんなエクストリームな環境に対応するべく独自進化を遂げたシェットランドシープは、他品種の羊と比べて身体が小さくなり、必然的に採れる毛量も少なくなるという希少価値まで発揮する様になり、今ではシェットランドで採れるウールに限り【シェットランドウール】という呼び名が許されるブランドウールになっていくのでした。
そして、そんな厳しい環境で、家族5代にわたってシェットランドシープとシェットランドウールの伝統を守り続けてきたブランドこそが、ジャミーソンズです。
それこそココンチのフェアアイル柄のニットは、当時のファッションリーダーであったエドワード8世が愛用されるほど(詳細はこちらのエントリ参照)でして、モノとしての素晴らしさは言わずもがなです。
正真正銘のシェットランドウール100%
シェットランド諸島に生息する羊から採れるウールを【シェットランドウール】と呼ぶのは上述の通りですが、実は純粋なシェットランドウールだけでニットを作ったのもジャミーソンズが元祖だったりします。
というのも、かつてシェットランドウールは(ウールの特性が影響してか)紡績するのが難しく、6割混紡がスタンダードだった時代があったのですが、1978年に初めてジャミーソンズがシェットランドウール100%の糸の紡績に成功します。
そして、それを皮切りにシェットランド地方に初めて紡績工場やニットマシンを導入したブランドとして更なる成長を遂げてゆくのですが、時を経てシェットランドセーターの概念が、【シェットランドウール使って】【スコットランドで生産された】という条件に変わった今でも
- 100%シェットランドウールを使い
- シェットランド島で紡績からニッティングまで行い
- 120年に渡ってシェットランドセーターの歴史を牽引してきた
というストーリーには、胸が熱くなるホンモノ感を感じる事が出来るのではないでしょうか。
まぁ正直、コレらのストーリーがあるからといって何がエライわけでもないんですが、それでも
こういう蘊蓄は知ってるだけで【気分】や【充足感】は違ってくるので、なんなら今日はこれだけでも覚えて帰ってくれ!!(猛爆)
イギリスが誇る3大フィッシャーマンセーターの一角!?
また今回紹介するシェットランドセーターは【イギリス3大フィッシャーマンセーター】に数えられる、所謂漁師ニットでもあります。 ちなみに、その3大フィッシャーマンセーターというのがこちら。
- 縄編み柄が浮き出た【アランセーター】
- 前後関係なく着れる【ガンジーセーター】
- シェットランド諸島で生まれた【フェアアイルセーター】
ガンジーセーターや(ガンジーセーターの亜種である)アランセーターが漁師の作業着というのは聞いた事がありましたが、実はフェアアイルセーター(≒シェットランドセーター)も、ガンジーセーターと同じく北欧のバイキングから伝わって独自に発展した歴史があったりと、この辺りのルーツも面白いところ。
もっといえば、かつては脱脂をしていないウールで編み込む事で 保温性と水弾きを両立させていたりと、まさに海の男にはピッタリのディテールだったとか。
まぁ今では脱脂されたウールで編まれているので、現在ではこういう事実も文化的な蘊蓄でしかないんですが、、、
世の男子諸君は【3大◯◯】とかいう権威は大好きだろ!!(私奴も好きだぜ!!爆)
伝統的な草木染めを未だに受け継ぐロマンも
また、最後に蘊蓄をもう一つ追加するとすれば、ジャミーソンズは現在でも伝統的な草木染めを行う稀有なブランドである事も触れておきたいと思います。
実際、草木染めにてここまで鮮やかなお色を作り上げるのはジャミーソンズでしか出来ない、、、とも言われており、カラフルなフェアアイル柄に使われるウールの発色の良さはまさにジャミーソンズの技術!!
なんならジャミーソンズはニット製品だけでなく毛糸の販売も行っていて、そのカラーバリエーションは圧巻。 今回私奴が購入したブルーカラーも絶妙すぎるでしょ。
この伝統ともいうべき草木染めにて、120年に渡るロマンは今なお継承されているのだ。
正直、チクチクするけどそれでも良くない!?
さて、そんな蘊蓄とストーリー、ロマンが詰まったジャミーソンズ。
ここまでの内容でグッと来た方も少ないないハズです。
ただ、ここまで担ぎ上げてみたものの、一つだけ補足させてもらうとすれば、一般的に『シェットランドウールは細くて柔らかい繊維』と言われる事が多いですが、
正直、結構ゴワゴワするしチクチクするぞ!!(猛爆)
ただ、コレに関しては誤解を恐れずに申し上げると、別にニットなんてチクチクしても良くないですか!?
最近ではユニクロの某スメドレーを彷彿とさせるバケモノニットの影響もあって、チクチクしないニットが良い!とされていますが、思えば昔のニットはチクチクしたし、なんなら『昔のお洋服の方が質が良かった』と語られる昨今を鑑みても、別にチクチクするのが一概に悪い事とは思わないんですよね。
ってかチクチクするのが嫌なら中にロンTなり、シャツを着れば良いじゃん!!(爆)
ただ、『シェットランドウールは洗濯を繰り返し、且つ 着倒す事でチクチク具合が徐々に改善される』なんて噂もあるもんで、、、
これは私奴が責任を持って検証してみせる!!
首は詰まって、シルエットはゆったりめ
ちなみに、皆さんが気になるジャミーソンズのサイズ感は、170cm65kgの私奴で40サイズがジャストサイズくらいでしょうか。着用後のシルエットはこんな感じです。
率直な感想を言うと、首はタイトに詰まっているにも関わらず、アームホールややゆったりとしている野暮ったいシルエットです(爆)
まぁ、フィッシャーマンニット故の保温性や、重ね着を考慮したシルエットと考えればコレはコレで正解なんでしょうけれど。
ただこのシルエットも、大きめなサイズを選んで肩を落として着る分には結構いい塩梅のシルエットになりそうな予感がするんですよね。問題があるとすればネックの詰まり具合ですが、ここは着用に伴い伸び易い箇所でもあるので、ある程度伸ばして着ることでクリアできます。
私奴も下に着るTシャツを覗かせたい場合は、着用前にグイッとネックは広げるようにしていますwww
こんな事言ったら一部のお洋服好きからは怒られるかもしれんけどな!!(爆)
どう着る!?ソリッドカラーのジャミーソンズ
今回私奴が購入した【750】と言われるお色は、ハワイアンブルーのトーンをちょっと落としたようななんともいえない抜群に発色のいいお色。
そんな発色の良さも手伝って 基本的には差し色として着用する事が多いのですが、このエントリを見て発色の良いジャミーソンズに恋をしてしまった諸兄諸姉諸君の為にも、いっちょスタイリングサンプルを考えてみました。ご趣味が合う方は是非参考にしてみてください。
というわけで、最初のスタイリング案はこちら。
これぞオールネイビーに合わせてインナーに色を差し込む常套手段(爆)ですね。
発色が綺麗なのでカジュアル使いにバッチリハマってくれるのは嬉しいです。また、インナーとして着る場合はアームホールの野暮ったさが隠れてくれるので、シェットランドウールの暖かさの恩恵を独り占めできるというメリットもあります(爆)
また、コレらのウールを主役にしちゃうとすれば、ストリートっぽくラフに着てもサマになりそう。
ディッキーズ874にVANSのレザーオーセンという横ノリ感全開な雰囲気に乗っかっざっくり着ちゃう作戦(爆)です。
こういう時は首元とスソでインナーのTシャツを見せておくとラフな印象が出て良い感じです。
まぁコレらのスタイリングサンプルはパリッと派手目なお色の使い方ですが、定番カラーである【ネイビー】や【チャコール】、【シルバー】なんかは普通に使いやすそうなんですよね。
生憎 我が物欲艦隊にはアンデルセンアンデルセンが控えているのでネイビーやチャコールの購入は見送りましたが、シルバー(ライトグレー)は買ってもソンないかも!!
ちなみにジャミーソンズにはこのニットをアザミの棘で毛羽立たせたシャギードッグセーターもラインナップされているので
編み目が綺麗に見えるこのセーターを、シャギードッグセーターよろしくケバケバになるまで着倒した暁には、手放せない相棒になってくれるかもしれません。
あとがき
今回ご紹介したジャミーソンズですが、実はこいつは昨シーズンの終盤(2023年の2月)に購入した1シーズン遅れの紹介エントリとなるのはココだけの話ですwww
だって、春を目前にシェットランドセーターを紹介しても買わないもんねwww(猛爆)
とはいえ、昨シーズンに着てみた印象だったり、この世界的な値上げムーブメントが炸裂している昨今にあって、このシェットランドセーター界の大本命アイテムが15,000円で買えちゃうというバグが継続している以上、これはオススメせざるをえませんwww
というか某セレクトショップが手がけるシェットランドセーターの約半額で、コレだけのストーリーやロマンが買えちゃうなんて、ちょっとした事件じゃないですか??
え!?『某セレクトショップのシェットランドセーターはシャギードックセーターだろ?』って??
いやいや、、、
シャギードックセーターも同じ価格帯でラインナップがあるんだよ!!!(猛爆)
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