こんにちは、ちゃん貴(@butsuyokukaisho)です。
先日、バブアーのビデイルSLが(個人的な)絶賛リバイバル中であるエントリを書きましたが、実はバブアーと併せて盛り上がっているアイテムがもう一つあります。こちら。
トリッカーズのカントリーブーツ!!
定番のエイコーン(どんぐり)と言われるお色で、カーフレザーを用いたストウと言うモデルですね。
思えば、コイツは19歳の頃に目一杯背伸びをして購入した思い出のブーツ。
過去に筆を執った事もありますが、若気の至りでスニーカーよろしくなサイズ選びをしてしまった為、今では羽根がキュンキュンに閉じてしまうサイズ感がタマにキズですが、それでも我が革靴艦隊における男前なエイジングっぷりは隊内随一です。
決して『今、盛り上がっている革靴はコレ!!』というアイテムではありませんが、
- 端正なお顔付き
- とこに出しても恥ずかしくない安心感
- タフにガシガシ使える剛建っぷり
といった特徴を考えれば、男の子なら一度は恋するブーツといっても過言ではないでしょう。
というわけで今回も、来たるブリカジブーム(ホンマかいなww)を象徴する名作ブーツについて、リバイバルレビューをお届けしたいと思います!!
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足掛け18年、トリッカーズのエイジングサンプル!
では改めてカントリーブーツのレビュー(2022年ver.)を行いたいと思いますが、ブーツの詳細は過去に筆を執った事もあるので、今回のエントリでは
- 18年に渡るエイジングの進捗具合
- 各種の困りごと
- 愛用して分かった周りの反応
といった、18年間愛用したからこそ味わえた内容をガッツリとレビューしたいと思います。
ちなみに、トリッカーズのレビューを進める前に、一つだけ【大前提ともいえる超物欲ポイント】を共有したいのですが、
トリッカーズのカントリーブーツは、本当に頑丈です!!
それこそ、18年に渡る使用にもビクともしない構造体である事はモチロン、革が割れたりアッパーの糸が解れたり、、、といった気配すら皆無の超タフガイ。
それこそヒールリフト交換は何回やったか分かりませんが、まだまだオールソールに至っていないダブルソールの現役っぷりを考えても、正にレジェンドと呼べる革靴!
むしろ、ここまでタフだからこそ、長期的なエイジングが可能になるし、永く愛用できるからこそ満足感や魅力が増していくのがトリッカーズなのです。
革靴よりも先にシューレースがボロボロになるのはトリッカーズあるあるww
ちなみに、この靴紐は3代目だからなwww
大袈裟ではなく正に人生の相棒と言えるコイツ。
ジジイになっても絶対履いてやるからな!!
エイジングの気付き①;アッパーの革質が最高
さて、そんな我が革靴艦隊の重鎮、カントリブーツですが、改めて現在のご尊顔をご覧いただきましょう。コチラ。
正直、傷やシミも多く残っているので、ツヤッツヤの革、、、といったコンディションではありませんが、やはりこの写真を見て感じる事があるとすれば、、、
何度見ても肉厚でキメの細かい革が使われている!!
ちなみに我が物欲艦隊の中で最高級の革質を誇る、JMWESTONと比較した結果がコレ。
流石にウエストンの革質はヌッラヌラですが、トリッカーズも負けず劣らず健闘しているのではないでしょうか。
むしろバリバリのアウトドアユースの靴だし、ガシガシ履き込んできた過去を鑑みても、あの使い方でこの革質を支持できるポテンシャルは素直に嬉しいw
むしろ、コレはトリッカーズの革質を信頼するには十分な理由となりますよね。
いやはや、こんな感じで『人生の相棒とも言える革靴をエイジングさせるんだ!』なんて思うと、ワクワクすると同時にトリッカーズが気になってきませんか?(爆)
エイジングの気付き②;シャフトがグニグニになったらもう手放せない!
また、革質に関してもう一つ言う事があるとすれば、
履き心地を左右するのシャフトの革だって、めちゃくちゃ最高に育っています!
ちなみに【シャフト】はブーツだからこそ存在する足首より上の部分(下記参照)を指しますが、ここの革が硬いと履いた時にゴワゴワするんですよね。
例えば、ローリングダブトリオのキャスパーの様にシャフトにグニグニのシワが入る=可動域が大きいという事。むしろ、このシワの多さが可動域の広さを物語っていますし、これはトリッカーズも例外ではありません。
もっと言えば、トリッカーズも最初はシャフトの革は超ガチガチでしたww
それこそ履き心地は良くないし、履き口がふくらはぎに当たって痛いし、思えばトリッカーズにもJMウエストンよろしくな【修行期間】があったという事でしょうか。
しかし!
今となってはシャフトがグニグニに柔らかくなったトリッカーズ。
これぞトリッカーズと仲良くなりたい一心で履き続け、心を許してもらえたからこそ味わえる境地ではないでしょうか。
当時の硬さはどこへやら。
足首に巻き付くような締め付け感と、縦横無尽に追従してくれる柔らかさ。
『これぞ、ブーツの魅力!!』と言えるレベルに成長したコイツはもう手放せません。
皆さんも、10年いや、5年履き込めば、きっとコレに近い感覚が味わえますよ!!
エイジングの気付き③;ガッツリ張り出したコバのキズが味わい深い!
革靴は、永く使えばキズは確実に入ります。
それこそ道端の石や壁にぶつけたり、側溝のフタに引っかけてみたり、場合よっては人込みで踏まれたりと、悲しいかな革靴にキズは付きものです。
とは言え、『道具として愛用する事で付くキズ』は、ワークブーツにとって勲章だ!とという理屈は理解はしているんです。
ただ、理解はしていても積極的にキズを付けたい人なんて少数派じゃないですか。むしろ、出来る事ならキズは避けたいのが人情でしょう。
そんな中、我々の想いを汲み取り、最大限に寄り添ってくれるのがトリッカーズです。
というのも、ココンチのカントリーブーツには、革靴に襲い掛かる攻撃を可能な限り回避せんが為に、安全装置が付いています。コチラ。
ガツンと全方位に張り出したコバ!!
このコバが車でいうバンバーの役割を果たし、アッパーを守ってくれるというワケです。
そして、これが私奴のブーツ(コバ)に残る歴戦の傷跡w
このキズなんてコバが無ければ一大事だったかもしれません。
ただ、このコバには背反もあって、張り出したコバは【守備力(爆)】は向上させる一方で、【見た目のスマートさ】を失ってしまうのでした。
こんな感じで、ドレスシューズはコバの張り出しが控えめに設計され、よりスマートな印象に。
そういう意味では、カントリーブーツはドレスシューズの様なエレガントには欠けてしまいます。
しかし、
この野暮ったさこそが『アウトドアユースに特化した実用品の証』だと考えると、ソレはソレでワクワクするでしょww
こう言った語れるディテールがあるのも、男好きする所以なんですよねww
エイジングの気付き④;ライナーはボチボチ修理が必要かな。
本エントリの冒頭から触れている通り、抜群のタフさを誇るコイツ。
それこそ、外から見る限りでは致命的なトラブルとは無縁ですが、
実は、ヒールライナーだけはリペアを検討しなくてはいけません。
18年も経過すると、よく擦れるライナーには穴がww
簡易的に革を貼るか、ショップでキレイに直して貰うか、絶賛迷い中です。
もっといえば、タン裏に貼られたトリッカーズの織ネームも随分と草臥れてきました。
このレトロな織ネームがメチャメチャ好きなので、もし破れたらコイツも修理できるのかしらww
あ、ちなみに私奴、革靴の修理については結構ポジティブに考えるタイプです。
そりゃ修理費用はモチロン、それこそ職人さんによって仕上がりに差が出たりとネガティブな要素は確かにあるものの、
リペア痕こそ今まで愛用してきた証だし、唯一無二のオリジナルディテールだと思うと、意外と嬉しくなったりするタイプだったりしますw
むしろ、この先もずっと愛用していく為にはどうしてもリペアが必要なタイミングは出て来るじゃないですか。 なんなら『修理という壁を乗り越えるからこそ、愛着が増す』なんて側面もあるんじゃないかと思うと、リペアにもワクワクしちゃうww
と言うわけで、皆さんのオススメリペアショップがあれば、是非コメント欄から教えてください!!
これはどうなの?トリッカーズ
ここまで、カントリーブーツに対する惚れ気を隠すことなく綴ってきた一方で、18年も経てば『もっとこうだったらいいのに!』なんて思うポイントもゼロではありません。
というワケで、ここからはそういったネガティブなポイントにも触れながら、、、
トリッカーズに対する愛を更に深めていきたいと思います!!
ネガティブな気付き①;ハトメは無い方が好きww(爆)
まず、ここ数年で一番気になっている【個人的に改善して欲しいディテールNo. 1】がコレ。
ハトメ。
ハトメと言えば、靴紐を通す孔に付く補強パーツですが、このハトメの何が気になるって、、、
どうもカントリーブーツのハトメって、可愛らし過ぎませんか!?
例えば、同じウイングチップでもウエストンの590はハトメが無くスッキリした見た目。
こう比較をすると、デザイン的にはハトメがない方が好きなんですよね。
ただ、私奴も一概にハトメが嫌いというワケではないんです。
その証拠に、タンカーブーツのハトメは無骨で嫌いじゃないんですよ。
この違いは何なのか、自分でもイマイチ分かりませんwww
ハトメの色?大きさ?材質?を変えれば違和感が無くなるのでしょうか。
いうて、基本的にカントリーブーツは超お気に入りのアイテムだというのに、
ハトメでこれだけ引っ掛かるってどんだけ小心者なんだよwww
ネガティブな気付き②;国内定価が¥88,000!?
また、コレはトリッカーズにだけ原因があるわけではありませんが、国内定価が大きく跳ね上がっていますね。
それこそ、私奴が買った18年前は税込み6万円くらいでしたが、それが今や88,000円ですか。
もちろんこの背景にはコロナ禍や戦争の影響があっての事でしょうが、昨今の円安事情も勘案すると、桁数が変わる可能性だって出てきたもんで、やいソレ!と買える金額では無くなってきました。
とは言え、『トリッカーズの適正価格は○○円くらいだろ!!』なんて事を言えたクチでは無いのですが、無粋を承知で言わせてもらうならば、、、
できる事ならトリッカーズには『背伸びをすれば手が届く、本格英国靴』というポジションは維持してほしかったなぁ、、、
というのも、多少無茶をしても応えてくれるタフさや、エイジングやメンテナンスの楽しさを教えてくれるラインナップなど、
トリッカーズは所謂『本格革靴の入り口』として、非常に優秀な革靴なんですよね。
むしろ、私奴がまさにその体験を経て、革靴の楽しさや嬉しさを覚えたクチなので、どうしても若い世代の方にもこういった楽しさがある事を知って欲しいんです。
まぁ革靴の値上がりはトリッカーズに限った事ではありませんし、トリッカーズ以外にも手に取りやすく、革靴の楽しさが十分味わえるブランドがある事は承知しています。
しかし、
18年も愛用していると、トリッカーズ贔屓になっちゃうのも仕方ないだろ!!!(猛爆)
靴は流行の影響を受けにくい。
前回のバブアーSLのエントリにて、『いくら一生モノと言われるモノでも、トレンドが変わったら着れなくなる』なんて事を書きましたが、
革靴に関しては、この理論を例外化できる数少ない服飾アイテムかもしれません。
というのも、近年ではスニーカーブームや、マーチン、クラークスの流行がありましたが、具体的なアイテム自体を考えると意外とクラシックなモデルが多かった事に気が付きます。
もっと言えば、靴というアイテムは、モデルやジャンルのトレンドはあっても、サイズ感が変わる事は無ありません。
それもあって、例えば20年前のワラビーを今履いたとしても『ちょっと違う!』なんて事にはならないんですね。つまり、
例え20年前のアイテムでも違和感なくハマるのが『靴』と言うアイテムなのです。
これは、【シルエット】や【サイズ感】といった変数の影響を受けるお洋服とは異なる特性ですよね。
もっと言えば、所謂スタンダートと言われる革靴にはトレンドを超えた普遍性が備わっていて、それこそトレンドの螺旋から解脱したお釈迦様的な存在(爆)なので、革靴に一生モノと言われるアイテムが多い所以かもしれません。
それから言えば、ド定番といわれるトリッカーズは、正に上述したお釈迦様的なアイテム。
私奴の実体験から考えても、
満足こそすれ、後悔する事は少ないアイテムではないでしょうか。
意外とウケがイイ、カントリーブーツ。
トリッカーズのカントリーブーツにはウイングチップの華やかな装飾が付いている一方で、ルーツはハンティングや乗馬といったアウトドアにあるので、ビジネスや結婚式にはミスマッチ、、、というのはかつて筆を執った通りです。
とは言え、普段着として着用する場合は、ジャケパンに合わせてもハマるし、バブアーやコーデュロイというラギットな洋服でも上品にまとめてくれたりと、抜群のバランス感があるのがトリッカーズの魅力!
まさに、ワークとドレスを違和感なく繋げてくれる唯一無二のお化けブーツです!!
もっと言えば、そんな魅力が伝わっての事なのか、意外と周りにウケが良かったりします。
具体的に私奴の実体験を挙げるならば、料亭にお呼ばれした際、下足番の方に『素敵なお靴ですね』と声をかけて頂いたり、リペアに出す時も職人さんに『いいエイジングしてますね』と言われたり、それこそ洋服屋の店員さんに『そのトリッカーズ、めちゃめちゃカッコいいですね』と言われたり。
そもそも社交辞令を真に受けすぎ(爆)なのかもしれませんが、こう言ったお声かけを頂いたエピソードは圧倒的にトリッカーズが多い事を鑑みると、不思議とコイツには目に留まりやすい何かがあるのかもしれません。
まぁそれが長年履き続けてきたからこそ出る【雰囲気】や【オーラ】なのだとすれば、、、
絶対ジジイになっても履き続けてやるからな!!(2回目)
あとがき
そういえば、カントリーブーツの購入を検討されている方に、一つだけ注意点があります。
もし、古いカントリーブーツの購入を考えられている場合は(特にこだわりが無いのであれば)、
【ストウ】というモデルを選ばれる事をおススメします。
というのも、トリッカーズのカントリーブーツには【モールトン】と【ストウ】という二つのモデルが存在するのですが、かつての【モールトン】はシー・シェイド・ゴースカーフというレザーが使われていたんですよ。
ちなみに、ゴースカーフとは耐水性を向上させたレザーの事で、カントリブーツの本質的な剛健っぷりを改善する意図があったんですね。 ただ私奴が見た限りの個体で言えば、
【ストウ】とはあきらかに革質が異なっていたのも事実で、【ストウ】(カーフレザー)のエイジングの方が断然私奴好みでした。
そういう意味では、本エントリで紹介させて頂いた様なエイジングが好みの方であれば、断然ストウ(カーフレザー)をオススメします。
とは言え、コレは古いトリッカーズを選ばれる場合のお話です。
現在ではゴースカーフを使ったシリーズは無くなり、【モールトン】と【ストウ】はソール(ダイナイトソールとレザーソール)で区別されるようになっていますので、現行品を選ばれる場合は お好きなモデルを選ばれてください。
まぁ、私は断然ストウ(レザーソール)派ですけどね。だって懐古主義だものww
【関連記事】
コメント
トリッカーズカントリーいいですね!
現在定価13万で、なかなか手が出る領域ではないですがいつか欲しいなぁ
子供が生まれる記念とかに買っちゃおうかな
>あけるさん
コメントありがとうございます。
もう気軽に買える価格帯じゃなくなってしまいましたが、記念品としてならアリですね。
お子さんが大きくなったら譲るとか、色々な思い出が作れそうです。
想像以上にタフだし、それゆえ愛着も湧きますから、ぜひ検討なさってみてください!