こんにちは、ちゃん貴(@butsuyokukaisho)です。
前回のエントリにて(超ざっくりと)ダッフルコートの歴史や、かの有名なエルメス生地の変遷と蘊番を語りましたが、今回お届けするのはその続編エントリ。
前回は『いよいよ生地をクローズアップ、、、』という所で中断してしまいましたが、今回も前回を上回るハイカロリーっぷりで筆を執っていきたいと思います!
【関連記事】
これぞエルメスが認めた、極上ヘリンボーン
さて、前回エントリでも触れた通り、このヘリンボーン生地はかつてムーアブルック社が所有していた超クラシックな織機で作られた、伝説の生地。
ちなみに、どれくらいクラシックな織機なのかというと、今から100年以上前に作られ、現在地球上に4台しか現存しないと言われている幻の織機だったりします。当然、今や正規の交換部品なんてありませんから、壊れたら特注で部品製作するしかない化石レベルのお宝です。
また、スーパーおじいちゃんな装置故に、生産速度も非常にゆっくり。生産効率を重視する近代の織機とはそもそもの設計思想が異なるが故に『このゆっくりとした織り方でなければ、あれほど美しいヘリンボーンは織れない』と言わしめる名機でもあります。
コレがその化石級の織機で織られた生地。
表面はしっかりとしたヘリンボーン柄なのに、裏面はメルトンっぽい生地なのも特徴です。
生地の断面イメージはこんな感じ。
ちなみに、より具体的な数字を挙げるとこうなります。
パイピングがあるので分かりにくいですが、生地の厚みは大体3mmくらいなのに対し、
ヘリンボーンの織り模様(の溝深さ)が1.5mm超!
つまり、生地厚のおよそ半分はヘリンボーン模様の凹凸で形成されている事になります。
ちなみに、勘の良い方はピンと来ていると思いますが、この凹凸の深さこそが、この生地のキモでして、
- 織模様の凹凸が深い故に、ヘリンボーン柄が綺麗に見える
- 織模様(凹)部分にて生地の軽量化・柔軟性を実現
- 織模様(凹)部分に多くの空気を含む為、保温性が高い
という、【美しい・軽い・柔らかい暖かい】と称されるパフォーマンスに繋がっているのでした。
いやはや、ムーアブルックの倒産以降、各社がこぞって再現を試みたモノの、いずれも代替品とは成り得なかった背景には、こういった事情があったんですね。
マレリウス社のヘリンボーン生地ってどうなん?
ちなみに当時の織り機で織られたジョシュアエリス(ムーアブルック)生地がスペシャルであるとはいえ、現在インバーティアのダッフルコートには二つの生地がラインナップされています。
- ジョシュアエリス社のヘリンボーン生地
- マラリウス社のヘリンボーン生地
お分かりかと思いますが、前者が所謂エルメス生地。
対しては、近代の織機使って再現したヘリンボーン生地ですね。
誤解を恐れず言うと、マラリウス生地はセカンドグレード的な扱いで展開されています。
とはいえ、マラリウス社の名誉の為に補足しますが、ココンチだって1863年から160年も続く老舗テキスタイルメーカー。 なんならこのヘリンボーン生地は、インバーティアに限らず(モンゴメリー等の)各ダッフルコートブランドにも採用されている実力派ブランドです。
そんな中、両者モデルの販売価格がコチラ。
- ジョシュアエリス生地モデル;¥173,800
- マラリウス生地モデル;¥107,800
その差はなんと1.6倍。
もっと言えば、コレらは同じインバーティアブランドでの比較なので、縫製ディテールやデザインは全く同じ。つまり、
この価格差は単純に【生地コストの差】という事になりますね。
まぁ、ジョシュアエリスの生地が高価になる理由は(上述した)生産効率の悪さや、歩留まり、設備保全費用等の間接的コストが勘案されての事だと思いますが、それでも『本当に1.6倍の価格差が妥当なのか?』という疑問は皆様一度は感じた事があるのではないでしょうか。
正直、歴史的なロマン、薀蓄的な興奮、更にはエルメスのダッフルコートに憧れた文脈(前回エントリ参照)から言うと、私奴はジョシュアエリス(若しくはムーアブルック)生地を推したいクチではありますが、
単純な興味だけでいえば、
- 生地の厚みにどれだけ差異はあるのか
- 生地の重量にどれだけ差異はあるのか
- ヘリンボーン模様の凹凸深さに差異はあるのか
- ヘリンボーン模様の溝幅に差異はあるのか
- 使われているウールの細さに差異はあるのか
といったデータは非常に気になりますねw
むしろ、これらのデータを数値化し、感覚値ではなく定量値で比較してみてるのもブログネタとしては面白いかも知れませんww
というワケで、マラリウス生地のインバーティアをお持ちのお方が居られたら、是非データを取らせてください(爆)
※ホントはマラリウス生地も用意して比較ができれば良かったのですが流石にシーズンにダッフルコート2着も要らない(むしろ買えない)是ww
オレンジのコートって派手すぎない?
ちなみに、改めて説明するまでもありませんが(爆)、今回私奴が選んだダッフルコートのお色は
ズバリ、オレンジです。
そもそもエルメスオレンジのダッフルコートに憧れていたので、この選択に後悔はありませんが、その一方で、実は【チャコール】や【ネイビー】も最終候補に挙がっていたのはココだけの話ですw
だってオレンジ色のコートって派手だものwww(猛爆)
しかし、そんな派手色に躊躇しながらも、最終的にオレンジ色に着地した決め手はなんだったのか。
というワケで、ココからは当時の私奴と同じようにオレンジ色のダッフルコートの購入を躊躇している諸兄諸姉諸君の悩みを一気に解消していきましょう。
皆さん、背中を私奴に預けてみませんか?(爆)
歳を取る程、似合ってくるのはオレンジ
上述の通り、30代も後半を迎えた時分でいえば『この歳でオレンジ色のコートは派手過ぎるだろ』と躊躇していたのですが、そんな時に最終的に私奴の背中を押した決め手はこの仮説でした。
というのも(過去にポロベアニットのエントリでも触れた通り)可愛いデザインやお色の洋服は世の中にも多々ありますが、
こういうアイテムって、ある程度歳を取ってきてからの方が似合うんですよね。
それこそ、20代の様にお顔にうっすらと幼さが残るような年齢ならば、オレンジ色ってストレートに可愛すぎる(コドモっぽくなりがち)と思うんです。
それこそ、それくらいの年齢ならネイビーとかチャコールとか、暗めのお色の方がハマると思います。
一方で、ある程度 老けて お顔に貫禄が出てくる(爆)と、【顔の渋さ】と【洋服の可愛さ】がイイ感じにマッチングしてくれるんですよね。それこそカルピスにイチゴ大福は甘すぎるけど、渋いお茶にイチゴ大福は合うみたいなイメージですよ。知らんけどw
もっと言えば、私奴には『ジジイになった時にお気に入りのアイテムをクタクタに仕上げて使いたい』という夢もあるもんで、そろそろターゲットを絞ってエイジングを始めないとジジイになった時に間に合わねぇぞ、という ある種の覚悟を決めた側面もあったかもしれませんww
ただ、覚悟云々と大層な事を書きましたが、1番は単純に『街でジジイ(爆)が着ていてカッコいいお色ってなんだ!?』と考えた時に、『やっぱりオレンジだろ!』となったワケですね。
ただ、20年前と比較しても好きなモノは大きく異なっていない様に、おそらく向こう20年が経過しても好みなんてものは大きくは変わらないはずです。
そう思うと、現時点でオレンジ色に惹かれているのであれば、例え20年が経過したとしてもオレンジ色のコートに対する憧れや、充足感はそう変わらないんじゃないでしょうか。
というわけで結論としては、今オレンジ色が欲しいなら、オレンジ色を選んでも後悔はしない!
着ると意外と派手じゃない
また、上述の通り 着てみるまではオレンジって派手かも、、、なんて思っていましたが、実際に着用してみて思った事があるとすれば、
オレンジって意外と派手じゃないし、想像以上にスッキリまとまります。
例えばこういったコーデ。
インナーの色味を落としてオレンジのコートを羽織ってみたのですが、意外とまとまります。
それこそ、ココンチのオレンジ色って目に痛いパッキパキのオレンジ色ではなくて、やや暗めの上品な色合い故に、発色は良いのに派手さを感じさせないんですよね。
もっといえば、インナーに派手なお色を持ってきたのがコチラ。
このひと癖ふた癖ありそうな赤いポロベアニットですら覆い包む汎用性www
オレンジ色はデニムやネイビーとも相性がいいし、なんならグラデーション的に赤や黄色とも親和性の高いお色なので意外と馴染みやすいんですよね。
なんなら、上下インナーは黒色で揃えてオレンジのコートでズバっと刺し色(??)にしてもカッコイイだろうし、ブラウンとかにも絶対相性良さそう。
また冬場はお洋服のトーンが暗くなりがちな街中に、上品なオレンジ色というのは非常にワクワクする感じもあります。暖色なんで視覚的も暖かいし。
そんな感じで考えても、オレンジ色て意外と汎用性が高かったりするんですよね。
よし!自分が60歳になった時は、赤いちゃんちゃんこの代わりにオレンジのダッフルコート着るわw ww
あとがき
ちなみに、インバーティアのダッフルコートの魅力の一つとしてカラーバリエーションも挙げられるのですが、ここまでオレンジを推していたものの、、、
サックスブルーのダッフルコートも抜群にカッコよく無いですか(猛爆)
いやはや、『ダッフルコートはコレで上がり!!』と思っていましたが、まだまだ先は長いかもしれませんwww
【関連記事】
コメント