今やすっかり定番化した開襟シャツ。
かつては開襟シャツといえば 【ヤンチャな兄ちゃん】 的なイメージが強い洋服でしたが、今ではアーバン塩顔男子 (爆) までもがサラリと着こなす程に市民権を獲得。
むしろ、以前は変化球的に扱われていた【長袖のオープンカラーシャツ】でさえ 今では定番アイテム扱いとなっていたり、言わずもがな今夏もオープンカラー旋風は継続の予感です。
あ、ちなみに、私奴は開襟シャツ大好き民なので昨今のブームは純粋に嬉しい限りですwww
しかし!!
開襟シャツが市民権を得るのは良いのですが、開襟シャツが好きだからこそ
どうも、昨今の開襟シャツの拡がり方にモヤモヤするんですよねw(爆)
というのも、各社からリリースされている開襟シャツを鑑みるに、『とりあえず、 オープンカラーにしとけばウケが良いんでしょ!?』 的なやっつけ感を感じません?
しかも、なんか大体のシャツがお約束のごとく、同じカタチをしていてやや食傷気味、、、
というわけで、今回のエントリでは昨今のオープンカラーシャツ界隈に一石を投じるべく、
チョットヒネリの効いた開襟シャツをご紹介しながら、 開襟シャツの奥深さと魅力についてハイカロリーに布教したいと思います!!
あ、申し遅れました、今回もちゃん貴(@butsuyokukaisho)がお送りいたします!
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そもそもオープンカラーシャツとは何ぞ!?
さて、そんな今回のエントリの主役となるオープンカラーシャツ。
よもやコイツに関しては今更説明するまでもないと思いますが、乱暴にいえば【台襟とトップボタンのボタンホールが無いシャツ】ですね。例えば、パッと思いつくのはアロハシャツでしょうか。
上の写真の通り、襟が開いた状態でプレスされている事も多く、涼しそうな印象ですよね。
あとはスキッパーシャツも開襟シャツの部類になるのかな。
過去にご紹介した事があるバルバのスキッパーシャツ。
リゾートな感じもありつつ、ナポリっぽい色気とエレガンテがあって好きです。
そして、忘れてはならないのが
今回のエントリの題名にもなっている【イタリアンカラー】!
そんなイタリアンカラーは個人的に大好きなディテールだったりするもんで、詳細は次項にて説明して参りましょう。
すっきり顔のイカしたイタリアンカラー
というわけで、上述した通り私奴が大好きなイタリアンカラーのシャツがこちら。
この独特の襟形状がとてもCOOL!!!!
通常のオープンカラーはトップボタン部分に段差があるのに対し、イタリアンカラーはセーラー服の様に直線状の襟の開きが特徴。
コレによって、更にリラックス感が強調される気がして好きなんですよね。
そもそもイタリアンカラーとは、その名の通りイタリア南部で生まれた襟のカタチで元々は襟付きニットのカタチがシャツに応用されてきたとか、そんな変遷があるみたい。
どことなくリゾート感があるのも、イタリア南部発祥という背景が効いているのかもしれません。
ちなみに、こちらはJELADO(ジェラード)のシャツで、 ドビー織りの細かなパターンが入った生地を使ったり、肩部分には裏地にキュプラが貼られていたりと結構手間のかかったシャツ。夏には非常に重宝するシャツです。
また、もうひとつ私奴が持っているイタリアンカラーシャツがコチラ!
濃いめの青緑という、ありそうで中々ないお色のこのシャツ。
襟元はイタリアンカラーを採用しながらも、、、
なんとコチラはキューバ地方の正装と言われるグァジャベーラシャツ!(キューバシャツ!)
ただ、一般的によく見るキューバシャツは、アロハシャツの様な襟のカタチがメジャーなのですが、何故かこのシャツはイタリアンカラーが採用されているレア仕様!
また、コイツは現地の有名な衣料品店であるPanabrisa謹製というホンモノ感も、私奴の琴線にドンスバ!
こんな感じでパナマハットに合わせて着ると雰囲気は抜群!
もっといえば、上述の白いイタンリアンカラーのシャツも含めて、街中でイタリアンカラーのシャツを着ている人は意外と少ないので『ちょっとした違いを出せる!』という意味でもイタリアンカラーのシャツはオススメです!!
開襟シャツはロカビリーカルチャーとの親和性が◎!
コレは冒頭でも触れましたが、今の様に開襟シャツが広く市民権を得る以前は、コレらのシャツは限られたジャンルの専売特許的な扱いだったんですよ。
それこそアロハシャツやキューバシャツといった民族衣装的なカテゴリか、若しくはボーリングシャツに代表される様に【ロカビリー界隈のトレードマーク】的な扱いだったんですよね。
それこそ長袖の開襟シャツなんて、ロカ(ビリー)シャツと呼ばれていた位でしたしwww
ちなみに『ちょっと洋服選びが楽しくなる蘊蓄』があるとすれば、【ロカビリー】と【ボーリングシャツ】が関連付くキッカケとなったのは、1950年代にアメリカで起こったボーリングブーム。
当時のボーリングブームに伴い、派手なカラーリングや刺繍が入ったボーリングシャツが台頭してくるのですが、奇しくも同時期にロックンロールやオールディーズと呼ばれる音楽が発展したこともあって、この二つの流行がクロスオーバーしロカビリールックと呼ばれるようなカルチャーが生まれます。
なんなら、かのエルヴィス御大も開襟シャツを愛用していたもんで、その影響もあってか開襟シャツは音楽(特にロカビリーやロックンロール・オールディーズ界隈)との親和性がピカイチ高くなっていくんですね。
それ故、ロケンロールが好きな私奴にとっては開襟シャツは大好物。
同じくロケンロール色の強いベンチュラと合わせて、コーディネートしてみたりね。
こういう『背景を意識して洋服を選ぶ』というのは、とってもワクワクしますね!
あとがき;洋服屋さんはファッションを売るのか、製品を売るのか。
とまぁ、こんな感じで、開襟シャツと言っても、そんな中、(冒頭でも触れた通り)昨今の開襟シャツのムーブメントに違和感を覚えるのが、、、
コレだけ開襟シャツが販売されているにも関わらず、各セレクトショップやファストファッション界隈において【オールディーズを感じる洋服が異様に少ない】点でしょうか。
長らく洋服に付随する【蘊蓄】や【カルチャー】をすっ飛ばして、【ルックス】と【コスト】ばかりを重視してきたように感じる昨今のファッション業界。
2020年代のカルチャーとして『リラックス感や、緩い雰囲気を求めてオープンカラーが採用されている』という解釈も出来なくはないですが、それでもファッションブランドが開襟シャツを作るにあたって、50年代の味付けを一切無視するのも違うだろ、、、とも思うんですよね。
それもあって、昨今の開襟シャツのムーブメントの裏には、洋服屋さんは【ファッションを売る】よりも【工業製品を売る】という要素が大きくなっているんじゃ無いかなぁ、、、とモヤモヤした次第でした。
ただその一方で、昨今の洋服の選び方の潮目が変わってきたかも、、、と思うのが、昨今の古着屋さん界隈の盛り上がり具合。
というのも、最近インスタ等で人気のある古着屋さんは、どこも仕入れるアイテムやスタイルに統一感があったり、アイテム毎に蘊蓄やカルチャーを語るキャプションも多くあって、
むしろ古着屋さんの方が、洋服に秘められたカルチャーや蘊蓄を含めて【ファッションを選ぶ・買う】という楽しさが実感し易いのかもしれません!
いうて、コレは私奴の想像ですし、統計的に裏を取ったワケでもありません。
しかし、私奴自身はそういった蘊蓄やバックグラウンド、カルチャーを含めて洋服を選びたいクチなので、もし若い世代の方にそういった洋服選び方の楽しさが広まっているならば、とても嬉しいですね。
というか、そうであって欲しいなぁwww
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