日本の老舗靴・Moonstarによるモカスニーカー「SLOC」

MOONSTAR SLOC 01 スニーカー

定番過ぎないで、気にいるデザインで、足にフィットして、ナイスプライスなスニーカーが欲しいという衝動から、気づけば数年が経っていました。

ここ数年、世の中はスニーカーブーム(てかブームというよりメインストリーム)。けど、100%納得するスニーカーが見つからない。これは私の条件が厳しすぎる or 調べる・探すのが下手くそなのか。

より条件や履きたいシチュエーションを狭めて、探し始めることにしました。新たな条件、それはオンでも、オフでも履けるスニーカー。

僕はこうして、旅に出ました。理想な一足を求め、SNSや雑誌で良さげなスニーカーがあれば店舗に試し履きしに行き、噂を聞いたら試して、デザインが最高でも足の形に合わずに諦めて、、、、。

いくつか回った時です。歪な足の私にもフィットするし、デザインも作りも良いし、値段もグッドプライス。その他諸々も含めてワンダフルな一足を見つけました。

今回紹介するのは、日本が誇る老舗靴作り屋「ムーンスター」の新スニーカー「SLOC」です。

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MOONSTARの意外なルーツ

MOONSTAR「SLOC」02

まずはじめに、株式会社ムーンスターをご存知ですか? 最近では靴のブランド『MOONSTAR』を展開している日本の靴会社です。

始まりは何と、1873年(明治6年)。途中会社名は変わりながらも、150年続いている空前絶後の老舗会社。

通勤靴、カジュアル、上履き、幅広く手がけていて、靴製作の高い技術を持っていることでも有名です。元『月星シューズ』と言うとご存知の方多いかもしれません。

語りたいことがあり過ぎるので、まずはMOONSTARについてまとめていきます。

足袋作りからスニーカーへ、老舗ムーンスター

1873年、創業者・倉田雲平は久留米市米屋町にオーダーメイドできる足袋屋をオープン。西南戦争用に大量生産を成功させますが、軍需品供給に失敗し財が尽きドン底に。しかし、めげずに足袋作りへ熱を注ぎ始めます。

手縫いが当たり前だった時代に、一軒家が買えるほどのミシンを購入。研究への熱は止まらず、ついに1908年工場をスタート。電動ミシンで大量生産できるようになった「いろはたび」は世に普及されました。

創始者のエピソードだけで、相当の気合を感じますね。

3代目社長・倉田泰蔵は1923年に、ソールがゴムの旅を発売。アメリカのスニーカーからインスピレーションを受けたそうです。2年後にはスニーカーも販売開始。倉田家の研究魂をヒシヒシと感じますね。

その後輸出で成功しますが、戦争へ。戦後は、車のタイヤなどゴム製品を生産。アメリカから技術を学び、ゴム製のレインコートなども手がけます。

南極観測隊に靴を寄贈したり、スニーカー「ミスタースニーカー」を世界中に輸出してアメリカで大人気になったり、革靴・上履き・子供靴などの生産をしたり、幅広い靴生業を真摯に突き進みます。

他にも、コンバースやニューバランスのラインセンスを会得(現在は終了済)。

2006年に14代目の社長就任を機に社名を「ムーンスター」に変更。久留米を拠点に、培ってきた靴作りは世界で評価されています。

近年では、いくつかのシリーズを展開。シンプルなデザイン、尚且つ日本人の足に合う高品質なシューズは誰かに勧めたくなる傑作ばかりなんです。

もちろん、未だに上履きも制作中。将来、子供には絶対履かせたいと思います(まぁまだ嫁さんもいないんですけどね)。

ちなみに公式サイトのページ「A HISTORY OF MOON STAR」に詳しい歴史が載っているので、興味ある方は是非。

モカ仕様なキャンバス靴「SLOC」

MOONSTAR「SLOC」

そんなMOON STARの中から、今回紹介するのは「SLOC」。先端がU字な作りと厚いソールが特徴的です。

価格は12100円。サイズ展開は1cm刻みです。なので、普段27.5cmを履いているボクは、28cmをチョイス。気持ち大きめだったので中敷を入れて愛用しています。

ちなみに、サイズは22cmから展開しているユニセックスのアイテムなので、女性にもオススメです。

そもそもは前のモデルとなる定番シリーズ「SLOTH」を狙っていたのですが、気づけば廃番に。後継モデルと言えるのが本作「SLOC」。セレクトショップでラスト1だったこともあり、20%オフになっていたところをお迎えしました。

冒頭でも述べた通り、オンとオフ両方で使えるシューズを探していたんですよ。なので、ロゴがなく大人っぽい、しかも人とあまり被らないというのがツボでした。

made in 久留米による秘技ヴァルカナイズ製法

FINE VULCANIZEDシリーズの『SLOC』。一番の魅力はシリーズの名前通り、ヴァルカナイズ製法(加硫製法)です。

製法だけ聞くと、なんかカッケェ響きやんとワクワクしますね。どんな製法かの説明前に一つ申し上げたいことが、それは貴重性。このヴァルカナイズ製法、日本で取り扱っているとこがほとんどない、ある種の伝統的製法なんです。しかも、久留米での製造。

はい、めっちゃソソられますね。おムネがドキドキしますね。

Q.;なぜレアな製法なのか? 

A.;手作業が多く、ある程度の熟練度が必要不可欠だから。

つまり、靴職人としてのレベルがハイスキルなんですよ。手作業が多いため、大量生産もできません。接着剤を使用するセメント製法の方が人件費もかからず、一般的となっています。

簡単な製法について説明すると、

  1. 良質な天然ゴムを目利きしてピックアップ
  2. ゴムを丁寧に練り上げて、均一に伸ばす
  3. ソール部分のゴムを手作業で型抜く 
    ※生ゴムの為柔らかく繊細な作業
    (2と3はお菓子作りに似ていますね。)
  4. 木型からアッパーを作り、ソールと合体
    ※ここまで、ほとんど手作業で進んでいます。
    そして、ここからがヴァルカナイズ製法の真髄。
  5. 加硫缶(バルカナイザー)の中で加熱と加圧(ここから命名された製法です)
    ※この工程により化学反応が起き、ソールは頑丈に柔かくなり、アッパーにぴったりとくっつくのです。底剥がれとは無縁の一品に。

また、蒸気でゆっくり着圧を行うことで、綺麗な型&高い耐久性の仕上がりになります。

これらヴァルカナイズ製法によって生み出されたソールは、ソフトでしなやか、しかも丈夫で見た目も精巧です。これにより、歩きやすさ、長年の愛用、重厚感のあるデザインをもたらしてくれます。

何よりも、「ヴァルカナイズ製法」って響きかっこよくないっすか!?!?(二度目)笑

高品質が故の「製品保証」

MOONSTAR「SLOC」

購入時のレシートでユーザー登録することで、6ヶ月の製品保証の恩恵を授かることが出来ます。

スニーカーでこのシステムは、中々ないのでは!? 何よりも、「うちの製品には自信がある! 何かあったら申し付けてくだせぇ!!」っていうMOONSTARの意気込みとクラフトマンシップのプライドが感じられますね。

ちなみに、僕の「SLOC」は購入から半年以上経ちましたが、問題なし! すこぶる快調です。

飽きとは無縁なシンプルなデザイン

ロゴはなく、キャンバス生地で、落ち着いた色味の「SLOC」。

冒頭でちょっと触れたのですが、ビジネスライクなシーンにも活用できるシンプルデザインです。意外と通勤に適したスニーカーって見つからないんですよねぇ。あっても、価格が高かったり、ソールが白などディテールが微妙だったり。合格点に届く一足に巡り会いづらいです。

その点、「SLOC」はいいですよぉ〜! そんでもって、キャンバス生地なのでオールシーズンでの愛用が可能です。

MOONSTAR「SLOC」

ぼてっとした厚いラバーソールは、スラックスなどの綺麗目なパンツとの相性が良きです。ビジネスシーンでも活躍できます!

注意点としては、キャンバス生地は汚れやすいので前日にメンテナンスを怠らないことです。ウェットティッシュでササっと拭き取るくらいで大丈夫かと。余裕があれば、防水スプレーでコーティングするとベターですね。商談で汚れた靴は悪目立ちしますからね。

商談の際に、足元を見られないようにしたいですね。

ちなみに他カラーは、ブラックとベージュの展開になります。

ブラックは、あらゆる業種の人でも活躍してくれそうですね。通気性が高いわけではないですが、レザーよりかは涼しいキャンバス地なので、クールビズシーズンは相方になってくれます。

ベージュはカジュアルなシーンで、どんな服装でも程よい存在感を放ってくれそうです。

日本人に合ったフォルム

何よりも、僕の足がバチバチに歪つでして、土踏まず・インサイドキックの骨部分・外脛骨が突出しているんですよ。しかも、ワイズと同じかそれ以上なんすよ。さらに極度の甲高。

そうです、踏んだり蹴ったりダッフンダな足のフォルムなんですよ(サッカー&剣道少年だった名残だと思われます)。

ということで、細めのシューズを履くと、「開き」が生まれてデザインが崩れる&痛くなることが多く、完全にフィットする靴が少ないんです。

その点、「SLOC」はチャカブーツなフォルムで幅広。硬すぎないキャンバス生地なので痛くなりにくいのであります。そんでもって、熟練職人による丁寧な製法。

踵のフィット感は、家系ラーメンへの豆板醤とニンニクくらい最高です。

長い歴史、淡々と靴の造形を深めてきたムーンスターならではの、日本人にとって至高な一足なんです。とはいえ、サイズが1センチ刻みです。その点はご注意を。

逆輸入!?のウワサ話

この件については、アパレル販売時代に業界の方から聞いた話です。噂話程度で読んでいただけると幸いです。

はじめに紹介した通り、長い歴史を誇るMOON STARですが、日本でずっと人気だったわけではありません。むしろ、セレクトショップなので並ぶようになったのはここ数年の出来事かと。

そんなMOON STARは、海外のデザイナーから支持されがちです。ロゴもなく、自ブランドのアイテムにも合わせやすいからかもしれません、憶測ですが。

とある展示会でデザイナーが着用していたそうです。そこで、日本人のバイヤーが「どこのブランド?」と聞いたところ「MOON STARだよ、君の国の」と答えられたそう。そこから日本でもゆっくりと火がつき始めました。

確かに、MADE IN USAやUKを好むように、MADE IN JAPANを好む海外の方は多いです。

隣の芝生は青いではありませんが、環境でファッションへの着眼点が異なるのは面白いですね。デニムなどの日本アイテムが他国から人気を誇っていたのは知っていましたが、日本のスニーカーといえば「オニツカタイガー」「asics」のイメージでした。確かに海外から見れば、異国で150年続く会社によるヴァルカナイズ製法のスニーカーって垂涎ものですよね。

「SLOC」コーデ

トラッドな雰囲気、というよりブーツライクで活躍してくれます。コーデの顔!というよりは、デイリーな相棒です。迷ったら、とりあえず履ける一足です。

U字でミドルカットでキャンバス、コーデにやんわり柔らかみを与えてくれますよ。

MOONSTAR「SLOC」

こんな感じで、ブラウンにまとめたお散歩コーデ。

歩きやすいのでお散歩にもピッタリです。梅を見に行った際、ちょっとしたオフロードでも問題なく快適にウォーキングできました。

続いて、カジュアルとの相性について。

MOONSTAR「SLOC」

メキシカンパーカーとグリーンなキャップでカジュアルにまとめつつ、足元はSLOC。上からインバーティアのダッフルで、かっちり感も取り入れた大人なカジュアルコーデに昇華。

レザーやスエードだと、やり過ぎ感が出てしまうなぁという時には「SLOC」ですなぁ。

MOONSTAR「SLOC」

ツナギとジャケットでカッチリカジュアル。ブーツだと、アメカジ感が強めになるので「SLOC」を。

女性の方でも、こんな感じで古着っぽいスタイルにもマッチします。

あとがき

MOONSTAR「SLOC」

お子様のいる家庭をはじめ、近頃のあらゆる物の値上げラッシュなどからどうしても私服への出資は財布の紐が硬くなりがちですよね。

ならば、ビジネス用のアイテムと意識を変えてみるのはいかがでしょうか?

オンもオフも使えて、便利ですよ。

はい、ということで、この文言はアパレル販売員時代にべらぼうに多用していた殺し文句でした。笑

もちろん、ビジネスでも使えるというのは嘘じゃありません。ただ、購入を迷っている方の多くが、何かもう一つ理由が欲しい、という利益を探しいる方が多かったです。なので、物事の角度を変えて提案してました。

迷う、その背中を押してあげる、言い訳を作ってあげる。それが販売員である僕の役目だと自負しておりました。

何故ならば、帰宅後パートナーや妻から、「また無駄な買い物して!」「同じようなのいっぱい持っているじゃん」と言われた際に、「いや日本の高品質の〜」と言うよりも、「ナイスプライスで丈夫な仕事靴なんだ」と自信満々に言えるように。

ちなみに個人的には、ヴァルカナイズ製法シリーズのローカットも狙っている次第です。また購入したらレポート出来たらと思っています。

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