どうも最近ワードローブの新陳代謝が活発になってきた、ちゃん貴(@butsuyokukaisho)です。
というのも、先日紹介したREDLOOPの様に『19年前のジーパンが今の気分にハマる!』なんて事態がここ最近、立て続けに起こっているんです。
『もう着ないかな、、、』と思っていた洋服も保管しておくものですね。
ちなみに、このリバイバル傾向が特に顕著なのがジーパン関連。
REDLOOPをキッカケに、もう一本、更に一本、と今の気分にドンピシャのデニムが続々と前線復帰してきています。例えばコチラ。
ドゥニームの大戦モデルとLVCの702モデル!
いやはや、なかなかクセの強い二本ですww
しかし、そんなコイツ等にはどちらも【共通する魅力】がありまして、それこそが
グイッと深めの股上と、ストンと落ちるドストレートなシルエット!
中でも、今回ご紹介するのはバツグンのストレート具合に定評(ちゃん貴調べww)のある
旧ドゥニームの大戦モデル!
是非とも巷のテーパードデニムとは一線を画す【火の玉ストレートデニム】に、琴線をバキバキに刺激されちゃってください!!
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タマ数減少!?オリゾンティ時代のデッドストック!
さて、ドゥニームといえば、【デニムの神様】と言われる林 芳亨御大(現RESOLUTE)が在籍していたレプリカデニム界のレジェンドブランド。
1988年のブランド設立以降、’90年代のヴィンテージデニム/レプリカデニムブームにて一気に名を馳せたブランドでして、当時のデニムブームを経験した方であれば『ドゥニームを知らぬはモグリ』といっても過言ではありません。
しかし、レプリカデニム界のレジェンドと呼ばれるまで上り詰めた一方で、ブランドとしては紆余曲折あって資本が色々と変わっているのがココンチ。
具体的にいうと、こんな感じです。
- 1988〜2005年;オリゾンティ社
- 2005〜2009年;シンズ社
- 2009〜2022年;WEGO社
ちなみに、上述した林御大が在籍したのが、2009年のシンズ時代まで。
一説では商標権がWEGOに移ると同時に大量生産的な経営方針にシフトした為、コダワリをもって作りたい御大と意見が合わず退陣した、、、とかナントカ。
巷で『オリゾンティー・シンズ時代の旧ドゥニーム時代の方がクオリティが高い』と言われているのは、こういう背景もあるのかもしれませんね。
そして、これらの話でピンと来た方も多いでしょうが(爆)、今回ご紹介するドゥニームは、
お探しの通り、初期のオリゾンティ時代の個体!!
上述の通り、オリゾンティ時代は2005年までですから、少なく見積もっても17年前の製品という事になります。 奇しくも先日筆を執ったREDLOOPと同期くらいかもしれませんww
ちなみに、コイツは今から10年前にデッドストックで入手したジーパンです。
当時はまだオリゾンティ時代のデッドストックもチラホラ出ていた(値段も結構買いやすかった)のですが、ここ10年ですっかりタマ数も少なくなってきましたね。
そういう意味ではコイツ、もうちょっとデッドストックのまま寝かしておいた方が良かったのかしらww(猛爆)
大戦モデルならではのディテールは健在!
ちなみに、ドゥニームといえば看板モデルは66タイプで、シュッとした細身のテーパード且つ、キレイ目スタイルにも合わせやすいシルエットは今のRESOLUTEにも通ずる所がありますね。 やはり御大のバックボーンは66なのでしょうか。
一方で、今回の大戦モデルは定番の66タイプとは一線を画すもう一つの超有名モデル。
それこそ戦時下の物資統制によって、作りを簡素化せざるを得なかったディテールを特徴に持つ大戦モデルですが、当時のリーバイスをこれでもか!と分析するのがドゥニームの真骨頂。
代表的な仕様からマニアックなディテールまで、バッチリ踏襲してくれています。
正直、大戦モデルといえば多くのブロガーさん達にコスり倒された大ネタ。それこそ軽くググるだけで細かなディテールを紹介したエントリは山ほど出てきますが、ここではドゥニームがどれだけコダワリを持ってジーパンを作っているのか認識頂く為にも、とりあえず各ディテールの具合について紹介させていただきましょう!
お馴染み、月桂樹ボタン
先ずはコレ。もはやこれは有名過ぎるディテールではないでしょうか。
物資統制により(当時鉄で作られていた)オリジナルボタンに規制がかかり、汎用品の月桂樹柄のボタンが使われる様になった、というヤツ。
ちなみに、このドゥニームが月桂樹ボタンを使っているのはトップボタンのみ。
こんな感じで、ボタンフライの部分はドゥニームのオリジナルボタンが使われていました。
まぁ、オリジナルにもこういった個体は多くある為、たまたまドゥニームが分析したサンプルがそういう個体だったのかもしれません。
コインポケットのリベット省略と、大味なステッチ
また、上述したボタン以外にも使用が制限された部品があって、それがリベット。
具体的にいえば、大戦モデルはコインポケットのリベットが省略されています。
こんな感じでコインポケットのリベットが省略されているのは有名ですね。
ただ、リベット補強(負荷がかかる箇所にリベットを打って、高強度なズボンを作り上げる)の特許を取得したのが何を隠そうリーバイス。
そのプライドもあってか、バックポケットにはしっかりとリベットが打たれています。
ただ、実はコレにも蘊蓄があって、コレこそが裏からはリベットが見えるのに、表からリベットが見えない【隠しリベット】という奴ですね。
このディテールが生まれた背景には、ライバル社のLeeがバックポケットのリベットを廃止した(その後大人気となった)事に対抗したといわれています。
ただ、リーバイスとしては上述したリベット製法のアイデンティティを反故にするワケにもいくまい!!という事で、この工法を開発したんだとか。
むしろ色々とディテールが簡素化されたこの時期にありながら、隠しリベットという手間のかかるディテールを維持している事に【ブランドとしてのプライド】が見て取れますね。 私奴はこういうエピソード好きですw
一方で、『徴兵によりベテランの縫い子さんが不足し、未熟な縫い子さんを雇わざるを得なかった時代背景』により、イレギュラーなディテール(?)も産まれます。
例えば、隠しリベットとミシン針が接触しない様、リベットを大袈裟に避けるステッチワークまで再現しているのが、おれ達のドゥニームww
これぞ、細かすぎて伝わらないディテール。(爆)
他にもステッチ関連で言えば【細かすぎて伝わらないディテール】は至る所に散りばめられており、見れば見るほど再現度の高さには感心するばかりです。
それでも、このバックポケットのステッチは大味すぎるけどなww
大戦生地と呼ばれるセルビッチデニム
ここまで、ボタンやリベットといった金属材料の制限について筆を執ってきましたが、その一方で物資統制とは逆行するディテールもあったりします。
というのも、上述した様に構造が簡素化されていく中で『せめて、作業着としてのタフさを少しでも向上させたい!』という思いから、大戦モデルは12ozの生地が採用されました。(それまでは10ozの生地が標準)
ボコボコとした生地の表面。
荒々しい、ザラザラしている、、、と表現される事の多い生地を見事に再現しています。
また、オリジナルの大戦モデルもこの生地の影響もあってか、
- 色落ちがダイナミック
- 生地のムラゆえに荒っぽい色落ち
- 色落ちが早い
と評する意見もあるみたいで、大戦モデルを好む人が多いのもこの為ですね。
そういう意味ではこのドゥニームも色落ちにも期待が膨らみますねww
一方で、ベルトループの作りが簡素化されて幅広のベルトループになっているのは、個人的にあまり好きじゃないけどなww
無骨で男臭いスタイルに合う!!
ちなみに、この大戦モデルは上記でも度々触れている通り、膝下からストンと落ちるストレートが特徴です。
大戦モデルの評判として『ワイドなシルエット』という意見も良く聞きますが、その背景にはこのシルエットが起因しているのかもしれません。 ただ、太さはそこまで感じませんよ。
それでも、このテーパードとは無縁のシルエットは【シュッとしたキレイ目なスタイル】よりは【男臭くて土臭い格好】の方が似合うんじゃないでしょうか。例えばこういうヤツ。
プリズナーボーダーに、同じく土臭いキャスケットとブラウンズビーチを合わせる男臭いアメカジ!
ワタリからのシルエットがイイでしょ!!
また、男臭いと言えばデニムのセットアップ。
正直、ジーパンなんてのはどういった服装にもそれなりにマッチしてくれますが、やはりセットアップの男好きする感じはたまりませんねw
時代背景的にはミスマッチですが、同じくドゥニームのGジャンでセットアップ。
コンバースを合わせてベタベタなアメカジもアリでしょww
しかし、着れば着る程、この深めの股上が新鮮でカッコいいんだよなぁ。
あとがき
というわけで、遂に日の目をみる機会を得た この大戦モデル。
ゴリゴリのビンテージではありませんが、個人的にはスペシャルなアイテムだと思っています。
それもあって、このキレイなシルエットを生かして濃紺のままシュッとさせておきたい想いもあるし、大戦モデル特有の色落ちを楽しみたい願望もあったりと、正直、まだコイツの育成プランを決めあぐねている所があります。
ただ、それでも一つだけ言える事があるとすれば、
大戦モデルのジーパンを穿く以上、大戦モデルのファースト(Gジャン)が欲しくなってくるんだよなww
いうて、TCBのファースト(非大戦モデル)をレビューしたのが昨年ですか。
皆さんもこうやってGジャンが増えていくんだなw(猛爆)
あとがき②
ちなみに、WEGOに商標権が移った後のドゥニームですが、なんと今年入って、何の告知もないままブランドサイトと各種SNSアカウントがそっと閉鎖してしまいます。
これにより、伝説のデニムブランドが遂に終幕したのか、と肩を落とすユーザーも多かったのですが
なんとこの6月に、同じくレプリカデニム界の雄、ウェアハウス資本にてドゥニームブランドが継続する事が発表されました!!
ウェアハウスの説明はココでは割愛しますが、かつてのライバルのピンチを自ら救出するという胸アツ展開!!
さらに某ネット掲示板のウワサ話で言えば、林御大が再びプロダクトに携わるとか、EVIS、フルカウントといった大阪デニムオールスター陣もこの復活劇に一枚噛んでいるとかで、
ベタな少年漫画ヨロシクなワクワク展開やんけ!!
いうて、まだウェアハウスからのドゥニームプロダクトの正式発表こそありませんが、往年のデニムファンを納得させるに値するこの大復活劇には期待せざるを得ません!!
これにより、新生ドゥニームは勿論、旧ドゥニームの注目度も上がってくるかもしれませんね。
今ドゥニームをお持ちの皆さん、コレを機にもう一度脚を通してみると、新たな発見があるかもしれませんよ!!
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