どうも、ちゃん貴(@butsuyokukaisho)です。
最近めっきり洋服の好みが変わってきました。
というのも、ほんの数年前まではタイトな洋服を好んで着ていたのですが、昨年購入したフルカウント0106に始まり、バーガスプラスのチノパン、ディッキーズにベラフォンテ、、、と続々に太いシルエットのパンツが増殖中。
思えば巷で流行しているワイドシルエットに影響を受け過ぎている感が否めませんが、一方でこれらのアイテムはアメカジ界隈における定番ラインナップである事も事実。
つまり、タイミングで言えば流行に踊らされた感こそあるものの、実際は『私奴が踊りたいタイミングと流行のタイミングが偶然一致したんだ!!』と言うことを強く主張したいと思いますww(猛爆)
ココ数年で買い集めたワイドシルエットパンツ軍。
過去から持っていたパンツも含め、各方面に対応できるラインナップが揃ってきました。
ただ、コレだけワイドシルエットなスボンを集めてみても、一つだけ足りないラインナップががある事に気が付きます。
そう!軍パンです!
というのも、洋服好きを自負しておきながら 実は今まで軍モノのズボンを積極的に穿かなかった私奴ww 思えば、昨年、初めてアメ横の中田商店に行った時に買ったのもシャツだったし、思えばまだまだ手付かずのジャンルがあった事に気が付きます。
というわけで、齢35にして初めてゲットした超ド定番軍パン!
満を持しての全力レビューをご覧あれ!!!
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買ったのは60年代のM−65、デッドストック!
そんなこんなで、35年間の空白を埋めてくれた【初めての軍パン】がコチラ!!
このズドン!と太いシルエットこそ、
超定番のM−65フィールドパンツ!
M−65といえば1965年(今から約55年前)に米軍にて採用された、、、という事でM−65と名付けられていますが、いくら軍モノに無頓着な私奴とはいえ、コイツに関しては名前と形の認識はありました。
ただ、実際に現物をマジマジと見てみると、思っていた以上にしっかり作り込まれている事や、あくまで兵士用のスボンであることが見え隠れする機能性がチラホラ見えてきました。
というわけで、名だたるブランドのサンプリングソースとなっている名作カーゴパンツについて、早速ディテールを確認していきましょう!
名物ディテール①;ドカンと極太シルエット!!
まずはコレ。
基本的に軍パン界隈はズドンと太いシルエットが多いですが、M-65も例外ではありません。
むしろ、どれ程に太いのかを確認するべく手持ちのスボンと比較してみました。コチラ。
置いた状態で明らかにM−65が太いのがお分かりかと思いますが、履いてみるとなおさらこの太さがわかります。コチラ。
ディッキーズも太いなぁ、、、と思っていましたが、それをも忘れさせてくれる圧倒的ボリューム感ww
ちなみに、何故M−65がココまで極太シルエットなのかというと、寒冷地任務の際に中綿入りのキルティングライナーを装着する為なんですね。こういうヤツ。
そして裏地にはライナーを取り付ける為のボタンも付けられていて、拡張性?もバッチリ。
また、ライナーはそこまで高くありません(大体3000円くらい)ので、冬場のキャンプや車中泊といったシーンを考えれば、コイツと昨年買ったモンスターパーカーさえあれば寝袋無しで宿泊出来るかもしれません!!(爆)
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名物ディテール②;膝のアクションプリーツで機動性を確保!
またドカンとワイドなシルエットでありながら、膝にはアクションプリーツ的なディテールが搭載されているのもM−65の特徴でしょうか。
こんな感じで膝部分にタックが取られていて、膝を曲げ伸ばししても生地が突っ張らない様になっています。
2箇所にタックを取り、あえて”膝が出た”状態を再現するM-65の名物ディテール。
ライナーを装着した軍事行動の際でも膝が突っ張らないように!と考えられてのディテールなのですが、こういうディテールを目の当たりにすると『やっぱり軍事用品なんだなぁ』とハッとします。
ただその一方で、膝のタックと引き換えに困っている事もありまして、私奴はコイツにセンタークリースをつけて【サイドから見た時にガッツリ太いシルエットが強調できる様にして穿きたい】のですが、、、
膝にタックが有る事によってセンタークリースがパリッとキマらない問題が炸裂!(爆)
膝のタックも含めてM−65の魅力!といえばソレまでですが、いっそアイロンでタックを折り畳んで縫い潰すのもアリかな、、、なんて考察中ですwww(爆) こんな感じ。
正直、軍パンにアイロンを当てたり、はたまたクリースを入れたりなんて事は邪道なカスタムだとは思うんですが
平和な世の中で使われる放出品であるならば、コレだって軍パンの宿命だろ!と思うわけですww
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名物ディテール③;サイドポケットに隠された布テープ!
また、M−65の機能面において膝のタックと合わせて語られる事が多いのがコチラ。
【カーゴポケットに忍ばされた布テープ】でしょう。
こんな感じでサイドポケットの中には2本の細い布テープが収納されています。
で、コレは有名な話ですがこの布テープの使い方は主に2つ。
1つ目は軍事行動中にカーゴポケット内の道具がガチャガチャ音を立てない様に固定する為。
カーゴポケットの側面にボタンホールの様な穴が空いているので、ココから紐を出して、、、
ポケットの上をまるっと縛って荷物を固定(?)する、といったディテール。
コレで音が無くせるのかはわかりませんが、なるほどなぁ。と思う内容です。
そして、もう一つが止血用。
例えば足に怪我をした場合、股下に付いているループ(赤矢印部)に布テープを通して鼠径部を縛って止血せよ!という感じ。
これは実際に使うシチュエーションには遭遇したくないですが、こういうディテールは軍パンならでは。
ちなみに、サイドに取り付けられたカーゴポケットにも仕掛けがあって、ポケットのマチが全て背面側に設置されているのもM−65のディテール。
上の写真の通り、前面(進行方向)側にはマチがなくて、背面部分のみマチが設計されている不思議な作りです。
しかし、これにも意味があって、ジャングルの中で行動する際に、枝木がポケットに引っかからない(不意な音を立てない)様に想定されたディテールなのでした。
コレは『なるほど!』と関心する一方で、こちらも日常生活で恩恵を受けそうなシーンは思いつきませんwww
いやぁ、平和って本当にいいものですね!!(水野晴郎風)
名物ディテール④;雑に見えてシッカリ縫製されている作り込み!
よもや、ココまでのディテールを考察するだけでも相当考えられて設計されているM−65ですが、コイツに関して更にグッとくることがあるとすれば、
縫製もやけに頑丈に作り込まれている事!
例えば一番縫製箇所の多いズボンの内側がコチラ。
数多くのボタンや紐が縫い付けられていると同時に、至る所にカンヌキ留めが実施されています。
また、『パッと見る限り、あまり綺麗な処理はされていないんじゃ、、、』と思われがちですが、、、
実は端糸の処理が雑なだけで、縫製自体は頑丈且つ、丁寧に進められている事がわかります!
キッチリ仕事は勧めつつ、機能面に関係ない箇所は雑でもOK!という所がアメリカっぽいなぁww
ただ、そんな中一箇所だけ特別違和感のあるポイントを発見しました。
それがこの腰ポケット。
スレキの端っこのロックミシンはわかりますが、その内側のステッチが何故か『チェーンステッチ』で縫い進められている!!
というのも、強度の求められる軍パンに解れ易いチェーンステッチを用いているのには凄い違和感があるよなぁと。
また、ステッチの端はほつれ防止の為にチェーンステッチをショローンと垂らしてみたりと、あえてチェーンステッチを行っている形跡が見られます。 なんだろう。デザイナーさんの遊び心なのでしょうかw
ちなみに、メインの生地は速乾性と強度に優れたコットンとナイロンの混紡素材ですが、スレキだけは綿くずの入ったコットンが採用されていたり、こんな所で当時のアメリカコットンってこんな感じだったのかなぁ、、、なんて妄想出来るのも楽しいポイントですね。
見れば見るほど新しい発見があって面白いM−65。
まだまだ知らないディテールや意匠が隠されていると思うので、このあたりを飲みながら考察する会とか開催したらメチャクチャ楽しそうだ是www(猛爆)
いやぁ、平和って本当にいいものですね!!(水野晴郎風/5分ぶり2回め)
M−65における年代の見分け方はコレ!
さて、そんなディテール満載のM−65ですが、(冒頭で触れた通り)今回私奴が入手したM−65は
60年代(68年製)のデッドストック品!!!
いまや枯渇気味となっているデッドストックのM−65が買えたのは本当にラッキーだと思います。(後述にお店のリンク貼っておきます!)
ちなみに、皆様御存知の通りM−65には所謂【60年代モノ】と【70年代モノ】で区別されていたり、微妙にディテールが異なる特徴があったりするもんで、
ココからは私奴の備忘録も兼ねて『年代の見分け方』から『細かなディテールの違い』について記録に残しておきたいと思います。
年代はポケットに縫い付けられたラベルを見るべし!
というわけで先ずは年代のチェック方法から確認して参りましょう。
あ、先に申しておきますが、軍パン(というかミリタリー物)の年代チェックは非常に簡単。
ヴィンテージジーンズの様に幾つかのディテールを見て複合的に判断する必要はなくて、
服に縫い付けられたラベルを見れば一発です。
M−65だとバックポケットのスレキに付けられたこのをラベルを見ましょう。
このラベルには製作元やら認定された年代が全て記載されているのですが、年代識別に重要なのはココ!
この□部分の文字列は【コントラクトナンバー】と呼ばれ、言わばトレーサビリティ用のナンバーですね。そしてこのズボンには『DSA 100−68−C−2627』という文字が記載されています。
というわけで、そのコントラクトナンバーをもう少し詳しく解説しましょう。
冒頭の『DSA』はアメリカ国防局を指しているのですが、重要なのがその後。
『DSA 100−68−C−2627』の記載のうち、赤字部分に注目してください。
実はこの赤字部分こそ 各サプライヤーから納品されたアイテムの登録年(西暦の下二桁)を表しています。
つまり『DSA 100−68−C−2627』というコントラクトナンバーの場合、1968年に登録された(≒1968年に製造された)という事になります。
基本的にコントラクトナンバーの読み方はジャケットでも同じですので、コレを知っておけば色々と応用出来ますね。
まぁ、一つだけややこしい事があるとすれば、アメリカ国防補給局の名称が下記の様に変遷するのに伴い、アルファベットの表記内容が変わっちゃう事ですが、それでも数字にさえ注目しておけば年代を調べるのはさほど難しくありません。
【参考情報/アメリカ国防局名称の変遷】 1961〜1977;DSA(Defense Supply Agency/国防補給局) 1978〜1993;DLA(Defense Logistics Agency/国防兵站局)
ちなみに、このラベルにはコントラクトナンバー以外にも使用上の注意が書かれているのですが、後学の為にグーグルで翻訳してみた結果がコチラ。
うーん。内容的にはあんまり珍しい事は書かれていないかな。
とはいえ、ユーズド品を探す、、、となるとこのラベルが紛失しているケースも少なからず想定されますので、ここからはラベル以外で60年代と70年代を見分けるネタについてご紹介していきましょう。
60年代の特有のディテール①;アルミジップが使用されている!
まずはコレ。
60年代のM−65はアルミジップが採用されているという事。
これはひと目でわかるので見分けやすいディテールですね。
ただ、このアルミ製のジップも素材の柔らかさの影響もあって、ジップ部分の故障が多い、、、という事で70年代にはブラス(真鍮)製のジップに変わります。
もっといえば、60年台のM−65にはジッパーのプルタブに紐は付きません。
やはり70年台のM−65は進化しているんだな!!
ちなみに、今回 私奴はアルミジップを選んだのですが、2週間使い込んだ率直な感想をいうと、やはりジッパーはブラス製(70年代品)の方が良さそうですw(爆)
というのも、私奴のM−65はまだジッパーの角が取れていないのか、メチャクチャ引っかかるんですよw
もっというと耐久性と利便性を追求してブラスジップ改善しているのに、あえて使い勝手の悪いアルミジップを選ぶというのはスペック的には逆行しているワケで、当然っちゃ当然なんですけどねwww
60年台の特有ディテール②;サイドが巻き縫いダブルステッチ!?
そして、ジップの種類以外でももう一つ見分けるポイントがあるとすれば
スボンのサイドステッチ!!
先ずは百聞は一見にしかず!という事で先ずはご覧頂きましょう。こちら。
なんと、60年代のM−65はサイドステッチ部分がタブルステッチにて縫い合わされているのに対し、70年代ではアウトシームが省略されています。
この背景としては、M−65の採用以前に使用されていたM−51という軍パンがこのダブルステッチ仕様だった事に起因します。
それもあって、60年代のM−65は前身モデルであるM−51を踏襲してダブルステッチが採用されていたものの、70年代製になると縫製方法が簡素化されアウトシームが無くなる、、、というのが一般的に語られるエピソードです。
だがしかし!
今回、私奴が購入したM−65のサイドステッチがこちら!
アウトシームが無いやないかい!!!!(猛爆)
これも色々と調べて分かった事ではあるんですが、60年代とはいえ全てのM−65がダブルステッチでは無かったんですね。
というのも、調べるにコントラクトナンバーが67年表記のM−65はダブルステッチの個体が存在するものの、よもや68年頃にはアウトシームは省略されているケースが見られます。
それからいえば【 ’60年代の中でも初期生産分に限ってダブルステッチ仕様だった】というのが正しい情報かもしれません。
まぁ、供給元が多岐に渡っていたり、年代で括ったとしても仕様のミスマッチだって少なくないのがアメリカさん。
これも楽しみ方の一つと考えれば自分のM−65にも愛着が湧いていくるような気がしますwww(爆)
益々枯渇化が進むM−65。ココならまだ比較的安く買える!!!!
少々昔話をするならば、私奴がまだ高校生の頃はまだ10,000円しない位の値段で買えたM−65。
ただ時が経つにつれてデッドストックのタマ数はどんどん減り、更に昨今のワイドシルエットブームの影響もあって益々枯渇化が進んでいます。むしろ、
今となっては【small−shortサイズ】✕【アルミジップ】✕【ダブルステッチ】✕【デッドストック】という役モノが揃った個体は、ヘタすりゃ親の倍満レベル(爆)まで高騰しちゃってますwwww
ちなみに、今回私奴が購入したのは【Medium−Regularサイズ】の【アルミジップ】で【デッドストック】の個体。
この条件でいえば、相場としては¥15,000〜¥18,000くらいだと思いますが、
冒頭でも触れた通り私奴はなんと¥11,000でゲット!!
しかも、それは個人売買ではなく一般小売店での購入!という再現性の高い購入方法なんだ是!!!
というわけで、よもや数年前から値付けを更新していないんじゃないかww(爆)と思われる神様の様なショップ(商品ページ)を共有したいと思います。こちら!
なんとココンチは私奴が中学高校時代にドハマリしたHIDEのメッカ、横須賀はドブ板通りにお店を構える老舗ミリタリーショップです。
そしてココンチのM−65はデッドストック品でありながら、60年代品(68年製)と70年代のM−65が選択できるこだわり仕様!
サイズは【Medium−Regularサイズ】に限られてしまうとは言え、私奴が探した中では底値でM−65が買えちゃうお店です。
ショップページをみても、アルミジップ製のM−65は68年製と書かれていますが、中には例外が有るかも?といった書き方なので、運が良ければダブルステッチ品に遭遇できる可能性があるかもしれませんよwww
【!注意とお願い!】 上記リンクは私奴の感謝の意味と、皆様への紹介の意味を込めてリンクを貼らしてもらっています。 それ故、仮にここから購入する場合は、絶対お店の人に『60年代品の中からダブルステッチ品を選別してください!』とか言わないでください! (それによってお店に迷惑かかっちゃうのは本意ではありませんし、そうなるなら最悪リンク削除させて頂きます。)
まぁ、今となっては米軍の放出品ではなく【非常に再現度の高いレプリカ】も多く販売されているので、『M−65が高騰しすぎてイマイチ食指が伸びない』という方や『別に 米軍現物に拘らない』という方であれば、レプリカを選ぶ、、、というのも選択肢としてはアリだと思います。
ただ『それでも人生の中で一度は本物を味わってみたい!!』なんて方もおられるでしょう。
というわけで、もしもこのテの在庫をお持ちの業者さんで、本ブログをご覧の皆様にご紹介しても良いよ!!という方が居られましたら、是非問い合わせページからご連絡頂けますと幸甚です!! お店のリンクを貼らせてもらいます!
次回予告!!
今回のエントリではM−65のディテール的なご紹介をさせて頂きましたが、まだまだ伝えたい事があるとすれば実際に着用しても非常にカッコイイ万能スボンだという事!!
やはりミリタリー界隈のみならず、ファッション界においても名作と言われるには、それ相応の実力があっての事なんですね。
という訳で、次回エントリでは【Medium−Regular】というサイズが一体どういったサイズ感なのか、更にはちゃん貴が考えるコーディネート案も踏まえてご紹介したいと思います!
今後の服飾史の中でも必ずや語り継がれるであろうM−65のレビュー後半戦。是非ご期待あれ!!!!
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